企画 2026-09-23

大学ボート部 強豪校 地区別まとめ|インカレ25大会の全国勢力図

大学でボートを続けたい、あるいはこれから始めたいと考えたとき、自分の地元や志望している地域に強い大学ボート部があるのかどうかは、気になるところだと思います。ただ、地区別に整理された情報は限られており、関東や関西以外の地区の実態はつかみにくいのが現状です。そこで本記事では、全日本大学ローイング選手権(インカレ)の2000年度から2025年度までの25大会分の結果を、ローイングマニアが独自に集計しました。7地区ごとの勢力図と、そこで中心になっている大学を一次データで整理します。

この記事の集計基準|大学ボート部の「強さ」を2つの指標で見る

このまとめは、編集部が決めた2つの指標で地区と大学を比較したものです。

使う指標は「決勝A進出回数」と「優勝回数」の2つです。決勝Aとは優勝決定戦のことで、そこに進んだ回数は各地区・各大学の層の厚さを表します。優勝回数だけで並べると、決勝Aの常連でも優勝経験のない大学が見えなくなるため、2つを併記することにしました。どちらも「年度×種目」の組み合わせごとに1回と数える延べ回数です。

対象は2000年度から2025年度までのインカレで、2021年度はJARA公式に種目別レース結果ページが確認できないため対象外としました。集計対象は25大会です。地区分類は大学の本部所在地の都道府県をもとに、北海道・東北・関東・中部北陸・関西・中国四国・九州の7地区に分けています。これは編集部が独自に定めた基準で、キャンパスが複数ある大学もあるため、分け方によっては結果が変わる可能性があります。また、学部・研究科単位で別クルー名として出場している例は大学単位にまとめ、複数大学の混成クルーは集計から除いています。

25大会の結果表に現れた大学は、名寄せ後で148校でした。年度ごとの元データは年度別結果の一覧で確認できます。

大学ボート部の全国勢力図|地区別の決勝A進出シェア

決勝A進出の64.7%を関東が占める一方、決勝Aに進んだことのある大学は7地区すべてに存在します。

地区決勝A進出(延べ)シェア優勝(延べ)シェア決勝A経験校出場校直近7大会で決勝Aに乗った校
関東855回64.7%234回76.7%27校46校18校
関西173回13.1%22回7.2%14校27校10校
東北133回10.1%27回8.9%4校12校2校
中部・北陸100回7.6%16回5.2%7校25校3校
中国・四国28回2.1%2回0.7%10校19校4校
九州18回1.4%0回0.0%4校11校1校
北海道15回1.1%4回1.3%1校8校1校
合計1,322回100%305回100%67校148校39校

関東は決勝A進出・優勝のどちらでも過半を占め、優勝シェアでは76.7%に達します。ただし地区の順位は指標によって入れ替わります。関西は決勝A進出では2位ですが、優勝シェアは7.2%で、決勝A経験校が4校しかない東北(8.9%)を下回ります。九州は決勝Aには届いているものの優勝は0回で、この2つの指標が別のことを表していることが分かります。

決勝Aに届いた大学は148校中67校

148校のうち決勝Aに進んだことがあるのは67校で、出場校全体の半分に達していません。さらに優勝経験があるのは27校に限られ、25大会を通して優勝を経験した大学は出場校のおよそ2割にとどまります。優勝経験校を地区別に見ると、関東11校、関西6校、中部・北陸4校、東北3校、中国・四国2校、北海道1校、九州0校という内訳です。

地区ごとの「出場校の多さ」と「決勝Aの回数」は一致しない

出場校数と決勝A経験校数の比率は地区ごとに異なります。中部・北陸は出場校25校に対して決勝A経験校7校、中国・四国は19校に対して10校、関東は46校に対して27校です。出場のすそ野が広い地区ほど決勝A到達校も多いとは限らず、2つの数字は別々に見る方が実態に近づけます。

地区別に見る大学ボート部の強豪校

地区ごとに「中心になっている大学」の顔ぶれと得意種目には違いがあります。

関東|決勝A進出は明治・日本・早稲田が上位3校、中間層も厚い

関東の主な大学は、明治大学(通算決勝A進出152回・通算優勝32回・直近7大会の決勝A進出43回)、日本大学(146回・90回・36回)、早稲田大学(141回・58回・48回)、日本体育大学(79回・13回・31回)、中央大学(67回・18回・24回)、立教大学(47回・8回・32回)、法政大学(40回・2回・13回)、一橋大学(35回・4回・8回)です。優勝経験校は11校を数え、直近7大会で決勝Aに乗った関東の大学は18校と全国最多でした。同じ関東でも優勝が集中する種目は分かれており、日本大学は男子エイト(m8+)で17回、早稲田大学は女子舵手つきクォドルプル(w4x+)で16回、明治大学は女子ペア(w2-)で7回、中央大学は男子舵手つきフォア(m4+)で7回、立教大学は男子フォア(m4-)で5回の優勝を記録しています。種目ごとの歴代優勝校は種目別の歴代優勝校一覧にまとめているほか、象徴的な種目とされる男子エイト(m8+)の歴代優勝校は単独のページで年表として確認できます。関東上位校の年度別の出場記録は、日本大学ボート部(端艇部)のインカレ全記録や日本体育大学(日体大)ボート部のインカレ全記録で個別にたどれます。

東北|仙台大学が地区の数字のほとんどを担う

東北の決勝A進出133回のうち104回、優勝27回のうち24回を仙台大学が占めています。直近7大会の決勝A進出47回は全国2位という数字で、通算の実績よりも近年の比重が大きい大学です。優勝が多いのは男子シングルスカル(m1x)と男子クォドルプル(m4x)でそれぞれ4回、女子ペア(w2-)で3回となっており、男女両方に優勝がある点も特徴です。東北のほかの大学では東北大学が通算27回決勝Aに進み2回優勝、東北学院大学と福島大学がそれぞれ決勝A進出1回(福島大学は優勝1回)という記録が残っています。年度ごとの詳しい戦績は仙台大学のページで確認できます。

関西|立命館・龍谷・同志社を軸に決勝A経験校は14校

関西は立命館大学(61回・12回・23回)、龍谷大学(42回・4回・11回)、同志社大学(22回・3回・15回)、京都大学(21回・1回・7回)、神戸大学(6回・1回・5回)、大阪公立大学(6回・0回・6回)、大阪大学(4回・0回・4回)、滋賀大学(3回・1回・1回)が決勝Aに進んだ実績を持ちます。直近7大会で決勝Aに乗った関西の大学は10校と、関東に次いで多い数字です。関西の優勝22回は立命館大学12回、龍谷大学4回、同志社大学3回、滋賀大学・京都大学・神戸大学各1回という内訳で、特定の1校に集中しきってはいません。優勝が多い種目を見ると立命館大学は女子舵手つきフォア(w4+)で7回、龍谷大学も同じ女子舵手つきフォアで2回優勝しています。年度ごとの詳しい戦績は立命館大学のページにまとめています。関西で立命館大学に次ぐ優勝4回の龍谷大学については、龍谷大学ボート部(端艇部)のインカレ全記録で出場史を年度別に振り返っています。

中部・北陸|富山国際大学が地区の6割超を占める

中部・北陸の決勝A進出100回のうち67回、優勝16回のうち12回を富山国際大学が占めています。直近7大会の決勝A進出33回は全国5位で、優勝が多いのは男子ダブルスカル(m2x)の5回、男子クォドルプル(m4x)の3回です。地区の2番手は岐阜経済大学(通算決勝A13回・優勝1回)で、以下、名古屋大学(6回・1回)、名古屋工業大学(5回・2回)、岐阜協立大学(4回・0回)、金沢大学(3回・0回)と続きます。ただし岐阜経済大学・名古屋大学・名古屋工業大学の3校は直近7大会での決勝A進出が0回で、岐阜協立大学が4回、金沢大学が3回と入れ替わりが起きています。年度ごとの詳しい戦績は富山国際大学のページで確認できます。

中国・四国|決勝A経験校10校に対し優勝は2回

中国・四国は決勝A経験校が10校あり、決勝A進出の延べ回数(28回)に対して関わった学校数が多いのが特徴です。内訳は岡山大学(通算決勝A6回・優勝1回)、広島大学(4回・0回)、島根大学(4回・0回)、松山大学(3回・1回)、愛媛大学(3回・0回)、松江工業高等専門学校(3回・0回)などで、1校が回数を積み上げるのではなく複数校が数回ずつ決勝Aに届く形になっています。直近7大会に限ると広島大学が3回、愛媛大学が3回、松江工業高等専門学校が2回、鳥取大学が1回決勝Aに進んでおり、地区の顔ぶれは固定されていません。なお、インカレの結果表には松江工業高等専門学校のように大学以外の高等教育機関も現れるため、本記事ではそれらも学校単位で集計に含めています。

九州|鹿屋体育大学が地区の決勝A18回中14回

九州は25大会を通じて優勝が延べ0回で、7地区で唯一優勝経験校がない地区です。ただし決勝Aにはたびたび届いており、18回のうち14回を鹿屋体育大学が占めています。鹿屋体育大学は直近7大会でも6回決勝Aに進んでおり、近年も継続して決勝Aに名前が残っています。残りは佐賀大学の2回、長崎大学と熊本学園大学の各1回で、この3校は直近7大会での決勝A進出は記録されていません。

北海道|北海道大学の4回が地区の全優勝

北海道地区で決勝Aに進んだ経験がある学校は北海道大学の1校だけで、通算15回の決勝A進出と4回の優勝は、いずれも地区の全数に当たります。優勝した種目は男子ペア(m2-)・女子ペア(w2-)・女子舵手つきフォア(w4+)などに分かれています。ただし北海道の決勝A進出は2000〜2009年度に12回だったのに対し、2010〜2017年度は1回、2018〜2025年度は2回と、近年は回数が限られています。この集計からは回数の推移までしか分からないため、背景まで読み取ることはできません。北海道大学の年度別の出場記録は北海道大学ボート部のインカレ全記録にまとめています。

地区別シェアは動いている|25年間の3期比較

関東のシェアは2010〜2017年度の72.4%をピークに、直近7大会では59.2%まで下がっており、関西・東北・中部北陸が比率を伸ばしています。

地区2000〜2009年度(10大会)2010〜2017年度(8大会)2018〜2025年度(7大会)
関東309回(63.7%)278回(72.4%)268回(59.2%)
関西63回(13.0%)36回(9.4%)74回(16.3%)
東北49回(10.1%)30回(7.8%)54回(11.9%)
中部・北陸35回(7.2%)25回(6.5%)40回(8.8%)
中国・四国10回(2.1%)9回(2.3%)9回(2.0%)
九州7回(1.4%)5回(1.3%)6回(1.3%)
北海道12回(2.5%)1回(0.3%)2回(0.4%)
各期の合計485回384回453回

各期の大会数は10・8・7大会と異なるため、延べ回数ではなくシェアで比較しています。関西・東北・中部北陸はいずれも中期に一度シェアを落としたあと、直近7大会で2000年代を上回る比率まで戻しました。逆に北海道は2.5%から0.4%へと縮小しています。ただし、シェアの増減がそのまま各地区の競技力の変化を示すとは限りません。出場を見送った大学や種目構成の変化など、この集計には反映されない事情もあります。出場校そのものの増減については、インカレ出場校数25年の推移で別途まとめています。

決勝A進出回数で見ると順位が変わる|層の厚さと勝ち切る力

通算の決勝A進出回数では明治大学が152回で全国1位となり、優勝回数1位の日本大学(146回)を上回ります。

大学地区決勝A進出優勝決勝Aでの優勝割合
明治大学関東152回32回21.1%
日本大学関東146回90回61.6%
早稲田大学関東141回58回41.1%
仙台大学東北104回24回23.1%
日本体育大学関東79回13回16.5%
中央大学関東67回18回26.9%
富山国際大学中部・北陸67回12回17.9%
立命館大学関西61回12回19.7%
立教大学関東47回8回17.0%
龍谷大学関西42回4回9.5%

日本大学は決勝Aに進んだうちの61.6%で優勝しているのに対し、明治大学は21.1%です。決勝Aに何度も乗ることと、決勝Aで勝ち切ることは別の指標として読めます。どちらが優れているという話ではなく、見る指標によって順位が変わるということです。優勝回数そのもののランキングはインカレボート通算優勝回数ランキングで別途まとめています。

直近7大会(2018〜2025年度)の現在地

直近7大会に限ると、決勝A進出回数の上位は早稲田大学48回・仙台大学47回・明治大学43回の順となり、通算ランキングとは序列が変わります。

順位大学地区決勝A進出優勝
1位早稲田大学関東48回13回
2位仙台大学東北47回14回
3位明治大学関東43回5回
4位日本大学関東36回19回
5位富山国際大学中部・北陸33回6回
6位立教大学関東32回6回
7位日本体育大学関東31回3回
8位中央大学関東24回5回
9位立命館大学関西23回8回
10位同志社大学関西15回2回

通算では4位グループだった仙台大学が直近7大会では2位に、富山国際大学は5位、立教大学は6位に入っています。一方、優勝回数だけを見ると日本大学19回・仙台大学14回・早稲田大学13回の順となり、決勝A進出の順位とはまた違う顔ぶれです。進学先を検討する際には、通算の実績と直近の実績を分けて見ると役に立つ場合があります。直近の大会でどの大学がどの種目に出ていたかは2025年度(第52回)の結果で1レースずつ確認できますし、気になる大学の年度別の戦績は大学別ページの一覧からたどれます。

この集計で言えること・言えないこと

この記事の数字はインカレの決勝A到達状況を示すもので、大学ボート部の規模や活動内容までは示していません。

まとめ|大学ボート部の強豪校は地区ごとに顔ぶれが違う

全日本大学ローイング選手権25大会分を集計すると、決勝A進出の64.7%を関東が占める一方で、7地区すべてに決勝A経験校が存在することが分かりました。東北は仙台大学、中部・北陸は富山国際大学、関西は立命館大学・龍谷大学・同志社大学が地区の中心となっています。25年間を3期に分けると、関東のシェアは直近7大会で59.2%まで下がっており、関西・東北・中部北陸が比率を伸ばしています。通算実績と直近の実績では順位が入れ替わる大学もあり、両方の視点で見ることが参考になります。

出典と集計方法

本記事の数値は、公益社団法人日本ローイング協会(JARA、日本ローイング協会公式サイト)が公開している全日本大学ローイング選手権の各年度結果を、ローイングマニアが正規化・集計したものです。2021年度は種目別レース結果ページが確認できないため対象外としています。選手個人の氏名は扱っていません。2025年度大会(第52回)は2025年9月3日から7日にかけて埼玉県戸田市の戸田ボートコースで開催され、詳細は第52回全日本大学ローイング選手権大会のページで公開されています。最新の結果はJARA公式サイトでご確認ください。

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